とよだクリニック
(医)青蘭会 とよだクリニック
心療内科/精神科
TEL:072−686−0919
高槻市高槻町13番5号 牧ビル3F

診察カレンダー

Calendar Loading

病気の話

社会不安障害(SAD)

社会不安障害 ( SAD ) について

他人から注目される対人的・社交的場面で強い不安や緊張を感じ、赤面、ふるえ、息苦しさなどの身体症状が出る病気です。恥をかかないかと恐れ、このような社会的状況を避けようとします。以前は性格によるもので内気、恥ずかしがりやなどと片付けられていましたが、近年治療可能な病気であることが分かってきました。

社会不安障害(SAD)の原因

残念ながらまだはっきりとは分かっていません。脳内の神経伝達物質であるセロトニンが関与していると考えられます。

  • 社会不安障害(SAD)が発生しやすい社会的状況
  • ○会議で意見を言う
  • ○大勢の人の前でスピーチをする
  • ○人前で字を書く、電話をする、食事をする
  • ○初対面の人と会う、話をする
  • ○偉い人と話をする
  • ○試験を受ける
  • ○パーティーを主催する
  •  など
  •  
  • 社会不安障害(SAD)でよく見られる身体症状
  • 顔が赤くなる・こわばる、口が渇く、汗をかく、脈が速くなる、息苦しくなる、手足が震える、声が震える、吐き気がする、腹が痛くなる、トイレが近くなる、めまいがする、頭の中が真白になるなど

社会不安障害(SAD)の治療

薬物療法と精神療法があります。

  • <薬物療法>
  • 1.SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • 抗うつ薬の一種で2005年10月から社会不安障害(SAD)の治療薬として認可されました。
  • 2.ベンゾジアゼピン系抗不安薬
  • 3.β遮断薬
  •  
  • <精神療法>
  • 曝露療法、認知行動療法など

私は主にSSRIと抗不安薬を併用する薬物療法を行っていますが、既にかなりの人に効果が認められています。ご自分が社会不安障害(SAD)じゃないかと思っておられる方、早く治療を受けて早く楽になってください。

■社会不安障害(SAD)の治療を受けた患者様の声はこちら

パニック障害

パニック発作(後述)が繰り返し起こる病気で、心臓や他の病気が原因でおきるものではありません。発作がまた起きるのではないかという心配(予期不安)や発作にまつわる他の心配が1ヶ月以上続くことが特徴的です。広場恐怖(後述)の有無で2種類に分類されます。

パニック発作

発作的に出現する強い恐怖感や不安感を特徴とする。随伴症状として下の症状が4つ以上存在する。
これらは突然出現し、10分以内に頂点に達する。

パニック発作で見られる症状

    1. 心臓がドキドキしたり、脈が速くなる
    2. 汗が出る
    3. 体がふるえる
    4. 息が苦しい
    5. 息がつまる感じ
    6. 胸が痛む、または胸に不快感がある
    7. 吐き気がする、あるいはお腹に不快感がある
    8. めまい、ふらつく感じ、気が遠くなる感じがする
    9. 現実感がなくなる
    10. 気が狂うのではないかと心配になる
    11. 死ぬのではないかと怖くなる
    12. 感覚が麻痺する、あるいはうず
    13. 冷たい感覚、熱い感覚

広場恐怖

    1. 家の外に一人でいること、混雑の中にいること、列の中に並んでいること、橋の上にいること、バス、汽車、自動車で移動していることに不安がある。
    2. 上記の状況を避けたり(旅行をしないなど)、パニック発作が起きることに非常に強い苦痛、不安を伴って耐えていたり、誰かと一緒でないとその状況に耐えられない。

パニック障害と鑑別が必要な病気

    1. 虚血性心疾患や心筋症
    2. 呼吸器疾患や胸膜疾患
    3. メニエール病や起立性低血圧など
    4. うつ病
    5. 側頭葉てんかん
    6. 神経障害やパーキンソン氏病
    7. 胃腸疾患

パニック障害の治療

パニック障害は単なる心の持ちようで生じるような病気ではありません。治療方法はかなり確立されており、適切な治療により症状は改善しますので、お近くの専門医(心療内科、神経科など)に相談してください。
パニック障害の治療には抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。最近ではSSRIといわれる新しい抗うつ薬が使用されることが多く良好な治療成績を残しています。その他医師によるカウンセリングや行動療法が行われます。

うつ病

 

うつ病とは

心が疲れたために、気分がゆううつで元気が出ない状態が2週間以上続く状態をうつ状態といいます。うつ状態を引き起こす原因には体の病気もありますが、体の病気がないのにうつ状態が現れる病気をうつ病と呼んでいます。

うつ病を引き起こす原因

うつ病になりやすい性格として几帳面、生真面目、凝り性などが知られています。また、昇進や引っ越し、結婚、妊娠、出産、喪失体験(身内の死など)や経済問題や家族関係の悪化など環境の変化やストレスがうつ病の引き金になることが知られています。
これらの原因がからみあって、脳の中の機能障害が生じた結果うつ症状が出現すると考えられています。これを「モノアミン仮説」といい脳の中のセロトニンやノルアドレナリンの働きが低下した状態が想定されていて、治療にはこれらの物質の働きを高める薬が用いられます。

うつ病の症状

うつ病の症状には精神症状と身体症状がみられます。体の症状が目立つうつ病(仮面うつ病)が増加しており、医療機関を転々とすることがしばしばあります。内科や外科で検査をしても異常がないのに、体がだるい、すぐに疲れる、食欲がない、などの症状がある場合うつ病かもしれません。以下にうつ病の症状をまとめてみます。これらの症状には日内変動(朝が一番辛くて、夜になると幾分症状が軽くなる)がしばしばみられます。

気分の低下:ゆううつ、めいる、寂しい
意欲の低下:やる気が起きない、興味がなくなった、何をするにもおっくうで、すぐ疲れる。集中出来ない。何を決めるにも迷ってしまう。
考え方の変化:自分を責めてしまう。自分は価値のない人間だと思う。苦しみが未来永劫続くと思う。自殺したい。
不安やイライラ:漠然とした不安がある、わけもなくイライラする。
睡眠障害:朝早く目が覚めて、熟睡感がない。
体の症状:食欲がない、味がわからない、体がだるい、頭が重い。

これらは全ての症状ではありません。気になる症状がある場合は、お近くの専門医に相談してください。

うつ病の治療

十分な心身の休養をとり、適切な薬物治療と精神療法を受けることが一般的です。家族や親しい人間の接し方にも注意が必要です。詳しくはお近くの専門医(心療内科、神経科、精神科など)に相談してください。

抗うつ薬

従来より三環系抗うつ薬(トフラニール、アナフラニール、トリプタノールなど)、四環系抗うつ薬(テトラミド、ルジオミールなど)やスルピリド(ドグマチール、アビリットなど)が用いられてきました。最近ではこれらの薬剤の副作用を少なくしたSSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤;パキシル、デプロメール)やSNRI(セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤:トレドミン)が導入され、治療の幅が広がっています。

痴呆

 

痴呆とは?

痴呆の定義:「いったん発達した知能が、後天的な脳の器質的病変により、持続的に全般性低下をきたした状態」
生まれてから年齢とともに発達した知的機能は正常者でも加齢とともに低下していきます。これは「もの忘れ」などとして自覚され、脳の神経細胞の減少や機能の低下に関連して起きるのですが、通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気が『痴ほう』と言えます。ちなみに精神発達遅滞の場合は正常なレベルまで知的機能が発達しません。

痴呆の症状

痴呆の症状には中核症状と周辺症状があります。中核症状とは物忘れを中心に脳の機能が低下した結果出現する症状で認知機能障害ともいいます。一方周辺症状とは物忘れに対する不安や物忘れの辻褄をあわした結果の物盗られ妄想など中核症状に反応、あるいは随伴して出現する症状です。

中核症状(認知機能障害)
1.記憶障害:新しく経験したことを記憶にとどめることが困難となる。
2.当識障害:ここはどこで、今がいつなのかわからなくなる状態。
3.判断力の低下:計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化する、判断するということが出来なくなる。

周辺症状(反応性の症状)
不安、抑うつ、 興奮、 徘徊、不眠、被害念慮、 妄想など

痴呆の原因

脳の血管がつまる:血管性痴呆
脳の神経細胞が変性脱落(変性疾患):アルツハイマー病、ピック病など
病原体が感染する(感染症):クロイツフェルト・ヤコブ病など
頭蓋骨の中に出来物が出来る→神経細胞を圧迫→神経細胞の機能が低下:慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症
脳の怪我→神経細胞↓↓ :頭部外傷後遺症
栄養やホルモンの異常→神経細胞の機能が低下 :甲状腺機能低下症など
その他(薬剤性)→薬の副作用→神経細胞の機能が低下

痴呆の診断

痴呆の診断には病歴聴取に引き続き、長谷川式に代表される痴呆の診断スケールの使用やさらに詳しい評価を行うための神経心理学的検査、神経症状、例えば麻痺の有無などを評価する神経学的検査が行われます。その他脳の形態を見るための CTやMRI、 脳の機能を評価するためのSPECTなどが行われます 。
一見痴呆に見えてもうつ病による仮性痴呆であったり、意識障害が背景に見られるケースもありますので、専門医による診断を受けることが望ましいと思われます。

痴呆の治療

アルツハイマー病、アルツハイマー型痴呆の治療にはアリセプトという抗痴呆薬が使用されますが、これは物忘れを改善させるというよりは痴呆の進行を遅らせるというものです。その他血管性痴呆の予防には高血圧や高脂血症などの基礎疾患の治療や血栓の予防を行います。
痴呆の中核症状には決定的な治療方法がないのが現状ですが、周辺症状は比較的薬物治療の効果がみられます。